試合開始からしばらくはスペインの動きが固くパスミスが目立つ。
それに対してドイツは調子良さそう。中盤でパスが回ってる。
ドイツは彼等にとって脅威であるところのセナの周りにクローゼ、ポドルスキ、シュバインシュタイガー、バラック、ヒッツルスペルガーがうろうろし、さらに両サイドバックを上げ目にすることでセナの守備力を無効にしスペインのマークのズレを起こさせ主導権を握ろうという作戦ってところかな。
ひとまず大成功。
スペインはシャビがちょっと下がり目にポジションをとることでセナをフォロー、ヒッツルスペルガーが上がった隙間にセスクとイニエスタが入り込み、トーレスがラームの辺りに張り付くことでラームの上がりを妨げ中盤の数的不利を打開しようとする。
お互いの思惑とストロングポイントががっちりぶつかり合う非常に面白い試合になってきた。
序盤のスペインの硬さが取れたのはイニエスタの突破から。
シャビからパスを受けたイニエスタが左サイドからペナルティエリアに持ち込みクロスボール、これをメツェルダーがカットするがボールは枠内に、あわやオウンゴールになりそうなところをレーマンが弾いて事なきを得る。
このプレーで目が覚めたかいつものスペインが戻ってくる。
後は基本的にスペインペース。
ヘディングシュートをバーに当てたトーレスの裏を狙い続ける動きが実ったのは前半33分。
中盤のシャビから右サイドにスルーパス、抜け出そうとするトーレスと裏を取らせまいとするラームの競争、飛び出してくるレーマン、一度はラームにボールを押さえられたかと思ったトーレスが抜群のスピードでボールに追いつきレーマンが触れる前にシュート。
この素晴らしいプレーでスペイン先制。
マジにすげぇ。
トーレスじゃなきゃ決められないゴールだよ。
んで今日のシャビはパスが冴えまくり。
その後もスペインペースのまま前半終了。
後半からドイツは怪我のラームに代えてヤンゼン。
守備力はアレだがそれを補う攻撃力を備えたラームを使えないのはドイツに取って痛い。
後半もスペインペースは変わらず。
シャビとトーレスが前線でチャンスを作りまくる。
ただしセナは相変わらずドイツの中盤を捕まえきれない。2列目から選手がフォローに下がりプジョルとマルチェナが粘って踏ん張って頑張るからどうにかなってるけど危うい雰囲気は残したまま。
ドイツに選手交代。ヒッツルスペルガーに代えてクラニー。
この交代をきっかけにドイツの猛攻が始まる。しかし粘るスペイン、カシージャスの好判断もあり何とか凌ぎ続ける。
スペインも選手交代。セスクに代えてシャビ・アロンソ、シルバに代えてカソルラ。
主導権を握られ始めている中盤をテコ入れしさらに追加点を狙おうとする動き。それを水際で防ぎ続けるレーマン。
激しい攻防戦が続く終盤戦、徐々にバラックやポドルスキが流れから消えていく。シュバインシュタイガーは元気だけど前半ほどの怖さがない。
それでも一発の怖さを感じさせるドイツ。
メルテザッカーを前線に上げてシュバインシュタイガーをボランチの位置に下げパワープレイを仕掛け始める。
しかしまだまだ守備意識の高いスペイン。
前線からプレスをかけロングボールをなかなか上げさせない、上げられてしまったロングボールに対してもしっかり食らいついて身長で勝るドイツを自由にさせない。
最後まで高い守備意識、攻撃への意識、バランスの取れたスペイン。
そしてタイムアップ。
スペインがドイツを攻守共に圧倒し優勝。
観ていてホントに面白かったし、スペインの強さ、巧さに魅了される試合だった。
アラゴネス監督の采配もツボを押さえていたし、グループリーグから決勝トーナメントまでコンスタントに実力を出し続け、勝つべくして勝ったスペインというところかな。
特に今日の試合は今大会大活躍のセナを押さえられていたのに周りがしっかりフォローして守備を破綻させなかったというところにチームの意識の高さと完成度を感じ取れたと思う。
そして言わずもがなの美しいパスサッカー。
ホントに今回のスペインは完成された強いチームだったと思うな。
44年ぶりの優勝、おめでとー。
これでEURO2008は終了。
レベルの高い試合が続く楽しい時間だったなあ・・・。
さて、寝不足から解放された日本時間の生活に戻るか(笑)。